なかなかよくならない咳で患者さんが呼吸器内科を受診する機会は多く、正しく診断し適切に治療を行うことが大切です。

咳はもともと、正常な呼吸をするために、気道内に異物が入り込んだ時に咳により異物を除去する目的があります。

咳受容体という迷走神経を介し、脳に信号が送られ、
①脳幹部で反射的に咳がでる経路
②大脳皮質からの指令で意図的に咳を出す経路
に分かれ、脳からの信号がのどや胸の筋肉に伝わり咳がでます。

つまり、咳は①反射的に出ると、②意図的に出している咳があります。


咳受容体はのど・気管・気管支の他、食道下部や耳にも存在していることが知られています。

どこの場所が咳の発生に起因しており、原因がなにか(感染・炎症・腫瘍など)を究明していくことが咳を止めるためには必要です。
咳の原因を探し出すために以下の手順で診断を進めていきます。

①詳細な問診
②視診・触診・聴診
必要に応じて
③胸部X線・CT検査による感染症・肺がんなど悪性疾患の除外
④肺機能・呼吸状態の把握のための検査(肺機能・動脈血液分析・時間内歩行試験など)
⑤血液検査
⑥喉頭鏡・気管支鏡・内視鏡検査

当院では短時間で、的確な診断ができますよう約20項目からなる詳細な問診表の記載をお願いしております。
お手数をお掛けいたしますが、記載をお願いいたします。

検査につきましては、どこまで検査してほしい、あまり検査をしないで治療を優先してほしいなど、正確に希望をお聞かせください。
※保険診療の範囲で適切な検査・治療を行っておりますので、不必要な検査は出来かねますのでご了承ください。